メカニカルシールの基本は、固定環に回転環を押しつけること。この押しつける力は内部の流体圧力によりもたらされます。とくに、流体圧力が高い場合はシール摺動面に作用する面圧も高くなり、限界を超えると摺動面間の流体による潤滑膜が切れて乾燥摩耗、焼き付け損傷・液漏れの原因になります。 そこで、流体圧力が高い場合にはバランス径を大きくして、摺動面が受ける負荷を軽減します。その軽減する比率をバランス比と言い、摺動面の材料特性、シール流体の物性・温度・圧力、回転速度などの運転条件によって最適な値が決定されます。 通常、バランス比が1.1 ~ 1.3 となるものをアンバランス形、バランス比が0.7 ~ 1.0 となるものをバランス形と称し、前者を低圧用、後者を高圧用として使用します。