回転環
(リテーナー:シールリングに二次シールを組み込んだ回転部品一式)

メカニカルシールの構成部品で回転軸と共に回転する回転部品一式を回転環と呼びます。
一般的には、回転摺動面を有するシールリング、シールリングに納まる二次シール(V リング・O リング等)、これらの型崩れやはみ出しを防止するコンプリング、スプリングの保持・軸との固定の役割をするカラー、カラーで受けた回転力をコンプリング、シールリングに伝達するドライブビス、ドライブピン等で構成されます。カラーを軸に固定する際は、スプリングの締め代にも影響しますので、図面寸法を参考にしながら仮組み、罫書き作業を確実に行った上で、セット位置を決めて下さい。回転環のうち、シールリングとコンプリングは、シール作用の為の自由度を有する為に、軸との勘合には若干の隙間が必要とされますが、カラーと軸との勘合部は(h7/H7)程度の精度が要求されます。また、二次シール(V リング、O リング)部分においては形状に関係なく、内・外径の当たり部分は(精度:0.6Ra 程度の)研磨仕上げが必要となります。
二次シールにV リングを使用の場合、ゴミやホコリの付着は液漏れの原因となる為、清潔な素手で作業して下さい。またV リングの取り扱いに関する注意点を以下に示します。

V リングの取り扱いに関する注意点

※ 高圧側にV の字の上側を向ける様に(圧力によりV リングの先端が広がる構造の為)組込む必要がある。

※ V リングの先端部は、特に精密に仕上げてあるので、鋭利な刃物で触れたり、機器に当てたりして傷付けない様に細心の注意が必要である。

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